ルーマニア演奏旅行2023
2023年10月2日〜11日まで、4年ぶりにルーマニア演奏旅行を再開することが出来ました。今年は、ジュニアコンクール入賞者の原 貫(ピアノ)さん、アメリカから参加のシルバナ・チュ(メゾ・ソプラノ)さん、ルーマニア在住のリステア・チュク(ヴァイオリン)さん、そして伴奏はアンドレア・ニストルさんというまさに国際色豊かなコンサートを開催してきました。
ルーマニア到着
ルーマニアに着くと、パートナーシップを結ぶUCIMRのセバスチャン氏が空港に迎えに来てくれて、ウエルカムディナーに誘って頂きました。まずは美味しいルーマニア料理で「ノロック(乾杯)」です。
日本語を勉強している、セバスチャンとシルバナ、そして英語とルーマニア語挑戦の貫君の楽しい会話であっという間のディナータイムは終了します。
コンサート

次の日は、いつものブカレスト音楽大学でリハーサルです。ルーマニアが誇る世界のジョルジェ・エネスクの銅像が入口に立っています。
伴奏を引き受けてくれるのは、大抵ブカレスト音楽大学の教授陣なので、音大のスタジオを借りてリハーサルをしています。
いくつものスタジオが並んでいますが、一つ一つの部屋には、カワイのグランドピアノが置かれています。驚きませんか?
コンサートは、ブラショフ、スフォント・ギョルゲそしてブカレストの3ヶ所で開催しました。
スフォント・ギョルゲという町は、ルーマニアの中のハンガリー圏にあります。新聞も標識も全てハンガリー語が先に書かれています。会話もハンガリー語です。ディレクター夫妻がとても素敵な方で、コロナ禍を除いてもう10年くらいお付き合いをしています。毎年日本から来るアーティストの演奏を楽しみにしてくれている聴衆のいる大事な会場の一つです。
ルーマニア人と結婚し、ここに住む日本人の友人に会えるのも楽しみの一つです。
ブカレストは、アテネ音楽堂の小ホールで開催しました。ブカレストの中心に佇むアテネ音楽堂はとても綺麗な建物です。そこに小ホールがあるのを知ったのも、コンサートを開催したのも初めてでしたが、とても素敵なホールでした。ラテン民族であるルーマニア人は、大きな拍手とブラーボの掛け声で、アーティストの演奏を盛り上げてくれます。きっと良い思い出になったと思います。
ルーマニア演奏旅行に参加して

原 貫(はら いずる)
ぼくは、ルーマニアに行ってきました!ルーマニアの人にぼくの演奏を聴いて欲しかったからです。「さくらさくら」を選んだ理由は、満開の桜をイメージしてもらい、日本を知ってもらいたかったからです。
一日目の演奏は、初めてお客さんと同じ高さの会場で、とても緊張しました。リハーサルでお客さんの視線を感じて失敗し、体が熱くなりました。本番は何も考えずに弾いたら、少し楽になりました。
二日目は一日目より上手に弾こうと思ったけど、満足に弾けませんでした。三日目のリハーサルは緊張したけど、弾き始めると楽しく弾けました。終わったあと、お客さんが「ブラボー」と言ってくれて嬉しかったです。自分なりに満足できた演奏になりました。
ルーマニアの日本大使館の方たちにも演奏を聴いていただきました。緊張しましたが、上手に弾けてよかったです。
一緒に演奏した人は、ニューヨークに住んでいるメゾ・ソプラノのシルバナさんと、ルーマニアに住んでいるヴァイオリン奏者のアンドレアさんです。演奏の時間以外にも話をしたり、ご飯を一緒に食べたりしました。ぼくは英語がほとんどできませんが、シルバナさんが日本語を話せたのでよかったです。シルバナさんとは次はニューヨークでシルバナさんの演奏会を聴きに行く約束をしました。ルーマニアの人とは言葉が話せなくても音楽で仲良くなれた気がして一番うれしかったです。
演奏会だけでなく、ルーマニアの文化にも触れることができました。ホテルのご飯も街のご飯もおいしかったです。街の中を散歩するときもこわくありませんでした。都会と田舎のどちらにも行けて、住んでいる人の雰囲気を感じることができました。観光で行ったペレス城は、たくさんの部屋があり、全部見られなかったけど、飾りはきれいで、歴史のあるものを見られてよかったです。
ルーマニアは地下鉄も山の中もインターネットがつながるので、すごいと思いました。ぼくは車の中でも地下鉄の中でもずっとゲームをしていました。
日本に帰ってきてからは、以前よりも色々な曲を練習するようになりました。もっとたくさんの人に自分の演奏を聴いてもらいたいし、ピアノの練習が楽しくなりそうだからです。もちろん英語も
もっと勉強しなきゃと思いました。
夢が広がるコンクールの先に
今回ご紹介した演奏旅行は、前年に開催された「ルーマニア国際音楽コンクール」および「ルーマニア国際ジュニア音楽コンクール」にて、グランプリを受賞された方々を対象とした特別な招待プログラムです。
国境を越えて音楽でつながるこの体験は、演奏者にとってかけがえのない財産となります。
未来の演奏旅行メンバーとして、皆さまもぜひコンクールに挑戦してみませんか。
皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。
第21回ルーマニア国際音楽コンクール申込受付中!
来年の演奏旅行メンバーとして、ぜひあなたも挑戦してみませんか?
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