アーティストインタビュー – NPO法人日本ルーマニア音楽協会 – 日本とルーマニアの音楽の架け橋
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日野薫子 – 第19回管楽器部門最高位

「ルーマニア国際ジュニア音楽コンクール」を経て、初めての「ルーマニア国際音楽コンクール」入賞者となった、日野薫子さんにインタビューしました。

ICon Arts Transylvania賞

日野:このコンクールに参加したのは、ルーマニアのサマーセミナーに参加したいと思っていたからなのです。コンクールでは、残念ながらICon Arts Transylvania 賞をいただくことがかないませんでしたが、コンクール終了後セバスチャン先生に講評をいただくと同時にセミナーに参加したかったとの思いを伝えたと思います。


嶋田:そのような気持ちでいらっしゃったこと、全く存じ上げませんでした。


日野:その後、協会を通してセバスチャン先生がサマーセミナーにご招待くださり、直ぐにいかせていただくとお返事をしました。


嶋田:セバスチャン先生からサマーセミナー招待のお話がきていますが、どうなさいますか?とお聞きしたら、一も二もなく『いきます!』とお返事いただいて、そのようないきさつがあったとは知らずとてもびっくりしました。


日野:とっても行きたかったのでうれしかったです。

嶋田:それでルーマニアに行かれたのはわかりましたが、またどうして2年連続で行こうと思われたのですか?


日野:セミナーのフルート講師カレン・ジョーンズ(Karen Jones)先生のレッスンが素晴らしかったことです。また、レッスン仲間が最高だったこと、大勢の海外の友人たちが出来たことなどいろいろありますが、一言でいえば、『楽しかった!』その一言です。


嶋田:それは良かったですね。ルーマニアのトランシルバニア地区でのこのサマーセミナーをもっと大勢の日本の方々に知っていただきたいのですが、中々浸透していなくてもったいなく思っているところです。薫子さんのような方々が多く参加してくれることを願っています。


日野:はい、もっと多くの方に知って頂きたい、行って頂きたいセミナーです。

そもそもこのコンクールを受けようと思ったきっかけは何だったのですか?


嶋田:ジュニアコンクールも第8回が終了し、第1回を受けてくれた方々は15歳以上という「ルーマニア国際音楽コンクール」に参加できる資格が出来、受けてくれる人たちが出てきました。そのジュニアからシニアに参加し受賞したのが、薫子さんなのです。


日野:ありがとうございます。ジュニアを受けたのはずいぶん前のこととなってよく覚えていないのですが、審査会場が家の近くだったことで、会場かどこかでチラシを見たのだと思います。また、舞台での演奏の機会が欲しかったことやコンクールを受けてみたいと思っている時期だったのだと思います。講評がいただけるのも一つの要因でした。


嶋田:それから何年か空いて、「ルーマニア国際音楽コンクール」を受けられたわけですね。


日野:はい、そうです。大学3年生の時でした。先ほども言ったように、ICon Arts Transylvania に行きたかったのです。


嶋田:それは本当に願いが良かったですね。

ジュネーブでの生活

嶋田:コンクールで入賞してから、ジュネーブに留学されたのですね。


日野はい、今師事している先生のマスタークラスを受けて、この先生につきたいと思い、ジュネーブに行くことにしました。


嶋田:ジュネーブでの生活はいかがですか?


日野:東京で生まれ育った私としては、少しエンターテインメントが少ないのが寂しいです。学校以外コンサートホールが少ないのも残念ですが、勉強をするには最高の環境です。気候変動で冷房のない夏がとても暑いです。冬は雪はあまり降りません。

あなたにとってルーマニア人作曲家とは

嶋田:今年(2025年)8月にルーマニア人作曲家だけの曲を集めたコンサートを開催してくれて、大変うれしく思いました。あなたにとってルーマニア、ルーマニアの曲、ルーマニア人作曲家とはどんな存在なのですか?


日野:民族っぽい曲想が興味深いです。この2年の間にICon Arts Transylvania やクルージュ・ナポカでのコンクール参加など、何回も行く機会がありました。このような機会があったのでルーマニアについて調べてみたくなり、クルージュ・ナポカ(*2)滞在中は毎日図書館通いをして楽しかったです。


嶋田:そこで、ルーマニアの曲を探したのですね。


日野:はい。ルーマニアを知ったからこそ、研究したいと思いました。また、ルーマニアにいると音楽の水準が非常に高く、日本での過小評価が気になりました。

嶋田:研究というか、突き詰めること、新しいことを知っていくことが好きなのですね。その対象にルーマニアが飛び込んできた!


日野:そうです。


嶋田:それにしても、ルーマニア人だけの作曲家でコンサートをしよう、と思うのは相当な思い入れもあるような気がしました。


日野:準備もたくさんしました。(資料参照)そしてせっかくなので、すべての雰囲気でルーマニアを感じて欲しいと、コンサートのため一時帰国する際に、ルーマニアのワイン、ルーマニアの伝統的お菓子のコゾナックを買って帰ってきました。


嶋田:まさか、あそこでコゾナック(*3)がいただけるとは思ってもいませんでした。とてもうれしかったです。

今後目指すところ

嶋田:まだまだ、たくさんの可能性とやりたいことがあると思いますが、今後、目指していきたいところはどこでしょうか?


日野:たくさんのマスタークラスに参加すると同時に、オーケストラに入ることも目指していきたいと思っております。また、PMF(*4)など、夏季に1か月〜1か月半程度の期間で集中的に活動する学生オーケストラにも参加したいと考えています。海外から有名な指揮者の方々がいらっしゃいますし、参加費が無料のため優秀な人たちが沢山集まります。そのようなところで今後も研鑽を積んでいけるようにしたいと思います。


嶋田:ありがとうございました。今後もご活躍を楽しみにしています。

(インタビュー:2025年12月26日)

注釈
(*1)ICon Arts Transylvania ルーマニアのトランシルバニア地方で開催されるサマーセミナー(サマーキャンプ)それそれの村で楽器ごとのレッスンとコンサートなどが行われる。世界から教授陣が招聘され、参加者は世界各国から集まる。日本からもコンクール入賞者(日野薫子、ブラン弦楽四重奏、木我斗真、石垣真結子)やネットで知った人々が参加している。
(*2)クルージュ・ナポカ ルーマニア北西部の都市。
(*3)コゾナック クリスマスやイースターで食べられる伝統的な菓子パン
(*4)PMF https://www.pmf.or.jp/audition/

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日野 薫子(フルート)

6歳よりフルートを始める。
第70、71回全日本学生音楽コンクール東京大会第3位及び全国大会入選。
第30回日本クラシック音楽コンクール フルート部門高校の部最高位受賞。
第19回ルーマニア国際音楽コンクール管楽器部門最高位。 及びオーディエンス賞受賞。
カーティス音楽院の Young Artist Summer Program2019 にオーディションで選抜され参加。
これまでに岩波寿美、押部朋子、竹澤栄祐、久保順、増本竜士、高木綾子、ジャック・ズーンの各氏に師事。またジョシュア・スミス、スーザン・ミラン、サンドリーヌ・フランソワ、カレン・ジョーンズのマスタークラスを受講。室内楽を和久井仁、ジェームズ・アレキサンダー、アントワン・マルギエ各氏に師事。 2021年に雙葉高等学校卒業後、東京藝術大学に入学。2024年よりジュネーブ州立高等音楽院に在学。